2019.05.03
SDGs 14、海の豊かさを守ろう
目標14 海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
世界の海洋は、その温度、科学的性質、海流、生物を通じ、地球を人間が住める場所にしているグローバル・システムの原動力となっています。私たちの雨水、飲料水、気象、気候、海岸線、私たちの食物の多く、さらには私たちが吸い込む大気中の酸素でさえ、究極的にはすべて、海が提供、制御しています。海洋は有史以来、交易と輸送に欠かせないルートとなってきました。
この不可欠なグローバル資源を慎重に管理することは、持続可能な未来への鍵を握っています。しかし現時点では、汚染による沿岸水域の劣化が続いているほか、海洋の酸性化は、生態系と生物多様性の機能に悪い影響を与えています。これによって、小規模漁業にも悪影響が及んでいます。
海洋保護区を実効的に管理し、しっかりと資金を供給する必要があるほか、乱獲や海洋汚染、海洋の酸性化を抑えるための規制の導入も必要となっています。
事実と数字
• 海洋は地球の表面積の4分の3を占め、地球の水の97%を蓄え、体積で地球上の生息空間の99%を占めています。
• 海洋と沿岸部の生物多様性に依存して生計を立てている人々は、30億人を超えています。
• 世界全体で、海洋と沿岸の資源と産業の市場価値は年間3兆ドルと、全世界のGDPの約5%に相当すると見られています。
• 海洋には、確認できているだけでおよそ20万の生物種が生息していますが、実際の数は数百万に上る可能性があります。
• 海洋は、人間が作り出した二酸化炭素の約30%を吸収し、地球温暖化の影響を和らげています。
• 海洋は世界最大のたんぱく源となっており、海洋を主たるたんぱく源としている人々は30億人を超えています。
• 海面漁業は直接的または間接的に、2億人以上を雇用しています。
• 漁業への補助金は、多くの魚種の急速な枯渇を助長するとともに、世界の漁業と関連雇用を守り、回復させようとする取り組みを妨げており、それによって海面漁業の収益は年間500億米ドル目減りしています。
• 外洋地点の観測によると、産業革命の開始から現在までに、酸性化の水準は26%上昇しています。
• 沿岸水域は汚染と富栄養化によって劣化しています。協調的な取り組みを行わなければ、沿岸の富栄養化は2050年までに、大型海洋生態系全体の20%で進むものと見られています。
国連海洋会議のねらいは、陸上からもたらされる汚染からサンゴ白化現象、漁業資源の乱獲、海洋生息環境の破壊、海洋の酸性化、さらには気候変動の影響に至るまで、人間の生活に影響を与える世界の海洋に対する多くの脅威のほか、持続可能な開発とSDGs達成にとっての健全な海洋の重要性に対する認知度を高めることにありました。 *国連海洋会議の日本語資料は以下をご覧ください http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/ocean_conference/
日本語訳・国連広報センター(2018年12月)